なにかといえば、冷暖房や機械換気をもちだしてことたれりとする「技術」主義もこまるが、現実の物質的生活には無関心で、政治や対人関係にのみ熱中する「人間」主義も、どういうものであろうか。いまこの国の住宅に必要なことのひとつは、この日本の風土に、科学技術をマッチさせた、ほんとうに住みよい生活空間の創造をめざして、研究開発をすすめることであろう。生活の身のまわりの物質的貧しさ、とくにその質や機能の貧しさには無頓着で、意識だけ、「一億総評論家」化する風潮がつづくかぎり、たとえみかけの物質の量だけふえたとしよう。
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そうしても、日本人は、真に物質文化を味わうことをしらない、いいかえれば、いまなお耐乏精神をもって美徳とする国民といわれても、しかたがないであろう、と思われるのである。