今から二年ほど前のことである。鉄骨の工事現場の監査に立ち会っていたとき、溶接したところの溶接かすがほとんど取り除かれていない建物にぶつかったことがある。溶接には、ガス溶接と、電気溶接がある。建築の工事ではほとんど電気溶接であるが、電気溶接の場合は溶接した部分の上にかならずかすか附着している。溶接したあとにはかならずこのかすを取りのぞき、溶接が正しくなされているかどうかたしかめて見るのが当然のことなのである。
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かすを取りのぞくのには、鉄の棒かハンマーでたたいて取る必要があるが、人手がなかったので省略したということであった。これをたたいて溶接かすを取りのぞいて見ると、溶接のあとがまことに悪い形をしている。