小さなインポートショップから、世界にも例を見ない巨大セレクトショップグループへと成長を遂げたビームス。その成長と進化の歩みは、日本人がほとんど知らなかったメーカーやブランドを見つけてきたり、新しい才能を真っ先に評価した目利き力。我々を飽きさせない矢継ぎ早の様々なアイデアと新機軸。あるいは、それまでの常識を覆したオリジナルのモノ作り。そして、これまでの常識にとらわれないユニークな出店形式や損得抜きの斬新な手法の数々が支え、実現してきたものだった。現ビームス社長は、その多くは「長期的な展望や緻密な計画からではなく、その時々の時代や状況で、自然発生的に導き出した答えの積み重ねだった」という。そして、それはまるで、その足を止めると自らがその重みで沈んでしまう水鳥であるかのように、休むことなく今なお進行中だ。それは、大きくなればなるほど、保守的になったり、安定を求めたりする企業の法則に抗い続けることで、進化し続けたビームスのいわばアイデンティティーで、推進力でもある。そして、そこには、ある一貫したビームスならではの独自のセオリーのようなものが存在する。本章では、そのビームスのセオリーと、それを具現した店、支える心理背景、実行した人々にスポットを当ててみたい。