割安でお買い得な物件が数多いというのが競売の魅力であるのは間違いありませんが、最低売却価額が安ければ安いほど「割安」ということにはなりません。競売物件は、不動産鑑定士の評価によって最低売却価額が決められています。ですから、極端に安い最低売却価額がつけられている物件というのは、それなりに評価を低くしている理由があると考えられます。たとえば、借地権付建物で、地主から建物をとり壊して土地を明け渡すように訴訟を起こされている場合では、その訴訟に負けてしまったら落札者が自分の負担で建物をとり壊して更地にして地主に返さなくてはいけません。
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これでは、どんなに安く手に入れたとしても結局損をするだけになってしまいます。また、物件自体は一応まともであったとしても、競売の対象になっているのがそのうちの三分の一といった「持ち分」にすぎないケースもあります。この場合、たとえ落札しても、所有権はその物件の三分の一しかないのですから、実際に利用することはできません。更地の場合でとくに注意すべきことは、建築基準法上の接道義務に適合しない土地です。建築基準法では、家を建てるためには「道路」(原則として幅四メートル以上)に二メートル以上接していなければいけないという規定があります。ところが、接している道路が建築基準法で定める「道路」にあたらない、たとえば敷地の延長であったり、接していても二メートルに満たないという土地があったりします。その土地を単独で取得したとしても、利用できないということになりかねません。こうした“キズモノ”の物件は、それなりに最低売却価額も低く設定してあります。これを取得してもお買い得にはならないわけです。