驚がれるかもしれませんが、某自動車教習所では、ゲストに対し、入校時に「盗難にあったら、盗まれた人の責任になりますので、貴重品の管理はしっかりお願いします」と説明しています。ふつう盗難が起これば、「盗んだほうが悪い」と思われるでしょう。しかし、私は必ずしもそうは思いません。集団生活をしていれば、「○○がなくなった」というトラブルはつきものです。どこかに置き忘れただけのこともあれば、誰かがちゃっかり自分のものにしている場合もあります。いずれにせよ、なくした本人にまったく責任がないことは、まずありえません。もともとは、本人の管理不行き届きが原因です。どこかに物を置き忘れたとき、誰かが拾って届けてくれれば、それにこしたことはありません。しかし、それをこっそり自分のものにしたからといって、落とし主にまったく責任がないといえるでしょうか。そこに落ちてさえいなければ、見つけた人も、自分のものにしようとは思わなかったはずです。盗まれた場合も同様です。たとえば、部屋に置いてあった一万円札が盗まれたとします。このとき、たいていお金は、盗まれやすい場所に置いてあるものです。机の上にそのまま置いてあった、カギのかからないカバンの中に入れてあったなど、簡単に盗まれるようになっていたはずです。これでは「盗んでください」といっているようなもので、やはりきちんと管理していなかった本人に責任があるのです。貴重品や大金をカギのかからない場所に置いておくのは、いわば女性が裸で外を歩くようなものです。そんな恰好をしていて、「痴漢をするな」というほうが無理でしょう。人間の心はそこまで我慢強くありません。大切なのは、相手に「悪い心」を起こさせないことなのです。服を着て歩くのが当たり前のように、貴重品や大金は人の目に触れないところにしまっておく。これが集団生活のルールです。そのこともしっかり自覚してほしいから、「盗まれたら、盗まれた人の責任」と説明するのです。
東京エリアの自動車学校
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